看護師と看護士と看護婦の違い|正しいのは「看護師」です
「看護師」「看護士」「看護婦」。日本においてナースの呼称、書き方はどれが正しいのでしょうか。
「どれも同じじゃないの?」「特に気にしていない」という人は考えを改める必要があります。
正解は「看護師」です。
看護師とは、「保健師助産師看護師法」という法律によって定められた以下に属する人のことです。
「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
看護学校に通い、国家試験をクリアしているナースのことですね。男女も関係なく「看護師」が正解です。
「看護師」になった経緯
元々は、看護婦も看護士も実際に使われている呼び名でした。しかし、法改正により変化していった経緯があります。
まず、1948年に公布された保健婦助産婦看護婦法では、「看護婦」と規定されました。これが一番最初。その後、50年以上変わらなかったので、最もなじみがある呼び名ではないでしょうか。
最初は、男性の看護人のことも「看護婦」だったんです。しかし、1968年の法改正で、男性のみ「看護士」と呼称することが規定されました。
女性=「看護婦」、男性=「看護士」だったわけです。
その後、2002年の法改正で、「保健婦助産婦看護婦法」から「保健師助産師看護師法」へと変更されました。それと同時に女性、男性共に「看護師」として規定され現在に至ります。
年表にすると以下のようになります。
年代 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
1948年〜 | 看護婦 | 看護婦 |
1968年〜 | 看護婦 | 看護士 |
2002年〜 | 看護師 | 看護師 |
なぜ「看護師」となったのか
「師」とすることで、専門的な職種として認識してもらう意味があります。看護師不足、高齢化社会など、ニーズは高まる一方。専門家としての、さらなる技術の向上が期待されています。
なお、男女の呼び名が統一されたのは「男女共同参画社会基本法」も関係しています。
男女共同参画社会の形成 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。
今後は「看護師」で定着していきそうですね。
看護師を目指す人は書き方に注意!
あなたが自身が看護師さん、またはこれから看護師になろうとしている、医療機関に携わる人なら注意が必要です。
まず、履歴書や職務経歴書などに書くときは、正しく「看護師」と書きましょう。間違えると印象のいいことではありません。
それに、一見、同じ看護師でも、准看護師、保健師、助産師といったように保有している資格が異なります。求人を探す際は何の募集かをよく確認しておきましょう。
あなたが患者さんであれば、病院やクリニックにいるナースを「かんごし(看護師)さん」と呼べば問題ありませんが、就職・転職を考えている人は書き方や雇用形態にも気をつけてくださいね。